porky11's diary

TOEICとか、技術とか

プログラマのための電子工学入門

私は組み込みプログラマで、Linuxオープンソースは結構読んだし、使ってきた。それなりにデバッグもできます(つもり)。カーネルソース、ドライバも守備範囲内であれば、そこそこ読める。

 

ドライバを書いていると、必ずそのチップに対応したデータシートを読み解く必要があります。この機能はデフォルトで有効かな?無効かな?ってのを調べると、「ブートストラップピンによる」的なことが書いてあったりする。なんだそりゃ?プルアップ抵抗うんぬんかんぬん?あと、この回路についているこの素子なんだろう?コンデンサ?何に必要なの?カップリングコンデンサパスコン・・・?なにそれ? 

 

腰は重いけど、知らないことがあると知りたくなる性格なので「そろそろ電子工学を基礎からやってみるか」となりました。でも、何を始めたらいいか分からなくて、いろいろ調べたり、周りに聞いたり。

 

さて結論からいうと、先輩に「電子工学やるならアマチュア無線1級(通称:1アマ)とるのがいいよ」と言われ、取得を目指すために勉強を開始。何も知らない状態から市販の問題集をやりこんで3ヶ月、無事合格しました。プログラマ(ハードウェア知識なし)のための電子工学の入門には、アマチュア無線1級の取得が最適解かと思います。

 

長々書いてもうっとおしいと思うので、要点だけ書いていきます。

 

  • 勉強時間

この勉強に割いた時間は仕事しながらで3ヶ月。平日は通勤時間+帰ってから気が向いたら30分とか。土日がメインだが1日中やってるわけではない程度。

 

  • 勉強の仕方

 

以下の「その1」とその2」を3ヶ月毎日やりこむ、最後の1ヶ月は「その3」を並行してやりはじめる。この3ヶ月プランで、1アマは取れます。

 

その1:問題集

買ったのはこの問題集1冊だけです。最初、1アマの受験期をたくさん読んで分析しましたが、この問題集が王道で良書みたいです。ただ、2012年と、ちょっと古いので、絶版にならないか心配です。見つけたら、買っておきましょう。これを3周回せば覚えられました。私の場合、1周目2ヶ月、2周目1ヶ月、3周目2週間って感じの時間がかかりました。

 

第一級アマチュア無線技士試験問題集 (合格精選400題)

第一級アマチュア無線技士試験問題集 (合格精選400題)

 

この問題集は過去問ベースで作られています。1アマの試験問題は、その6割くらいは過去に出題された問題から流用されているっぽいですが、似たような問題が繰り返し出題されています。上記の問題集は、そのような重複を排除して、かつ出現頻度の高いものがまとめられています。ですので、とりあえず、この問題集だけやっておけば、合格ラインの75は超えるはずです。

ただし、この問題集の解説は不十分ですので、 他で補う必要があります。Step2で説明します。

 

 

その2:解説サイト 

この問題集を進める上、というか1アマを取る上で、必読のサイトがあります。知る人ぞしる、gxkさんです。gxkさんのサイトが、この記事で一番紹介したかったポイントでもあります。

無線工学を基礎から学ぶ 第1級アマチュア無線技士 Top

まずは、ちょっとこのサイトを開いてみてください。

すると、画面の下のほうに以下のような「分野別出題一覧」というのが出て来ます。

分類 内容
A 電気物理 電気現象・電界・磁界・電磁誘導・コンデンサ・抵抗・コイル・絶縁体等、物理現象として捉えた電気の問題群
B 電気回路 直流/交流回路網・消費電力・過渡現象・共振回路・フィルタ回路等、回路設計の基礎となる要素の特性と計算問題群
C 能動素子 ダイオード・バイポーラトランジスタ・電界効果トランジスタ集積回路・その他半導体全般の特性や回路応用の問題群
D 電子回路 増幅・発振・変調・復調・負帰還・周波数変換・PLL等のアナログ回路要素と論理回路(デジタル回路)の問題群
E 送信機 CW,AM,SSB,FMの各送信機、デジタルを含む通信方式、リピータ、アマチュア衛星、EME、インターフェアに関する問題群
F 受信機 CW,AM,SSB,FMの各受信機、スーパーヘテロダイン方式、受信機の性能(混信除去・S/N)等に関する問題群
G 電源 変圧器・整流回路・平滑回路・定電圧回路・電圧変動率、DC-DCコンバータ・電池等に関する問題群
H アンテナ・
  給電線
定在波・進行波・整合と給電線、アンテナの種類・分類・利得・効率・インピーダンス、電界強度と誘起電圧等に関する問題群
I 電波伝搬 電離層と電離層伝搬・周波数による伝搬の違い・伝搬異常現象・フェージング・(外来)雑音等に関する問題群
J 計測 指示計器・倍率器・分流器・計測器・周波数帯ごとの計測方法と装置・電力計測・デジタル計測等の問題群

 

ご覧の通り、圧倒的ボリュームです。1アマで出題される分野の解説が網羅されております。そしてなにより、これを全て無料で読めます。

 

なお、上記分類だけでなく、過去問の出題番号からも解説を引けます。(最新の平成30年度8月の過去問解説もあり)。なので、後で書くStep3で最新の過去問を解く際にも役立ちます。

 

まずは、Step1の問題集にガンガン解説を書き込んでください。自分の手書きだと、読み返した時に脳への定着率があがるようです。

 

あと、最初のうちは特定の回路に電圧をかけた場合に、どのように電流が流れるかイメージができません。そんなときは、以下の回路シミュレータのサイトを見ると、そのイメージがつかめます。

https://www.falstad.com/circuit/e-index.html

ここにはいろいろな回路のサンプルがリスト化になっています。一見、英語なので苦手な方にはちょっとつらいかもしれませんが、Google翻訳などを使いながら頑張ってよんでみてください。

ためしに、上記のリストにある「Caps w/ Various Frequencies」というリンクを開いてみましょう。すると、コンデンサに交流電流を流した時、どんな感じで電流が流れるか、ということを表した回路のサンプルのシミューレーションが出て来ます。

同じ静電容量であれば、高周波になるほど電流が流れやすくなる(電流の流れが速い)ということが、シミュレーションの動きから見て取れます。これにより、パスコン(というコンデンサ)によってノイズ(交流信号)がアースに流れる、というのがイメージでわかると思います。

 

ちなみにどちらのサイトも、私のiPhonesafariで読めました。つまり、通勤の電車の中でも勉強できます。隙間時間をうまく使って勉強しましょう。

 

その3:公式の過去問

Step1の問題集をStep2の解説をみながら完璧にやりこめば、問題集だけで合格ラインは超えます。ただし、前述したように2012年とやや古いので、毎回1〜2割程度含まれる新傾向の問題には対応できません。

そこで以下の公式サイトから過去問2回分(余裕がある人はもっと)をダウンロードして、解いておきましょう。ここまで来ている人は問題集の中身はある程度定着していると思うので、自力で調べて解けるはずです。

公益財団法人 日本無線協会

なお、先に書いた通り、gxkさんのページで最新の過去問の解説も見れます。(gxk最強) 

 

 

1アマが取れたプログラマは、

 ・コンデンサって何につかうの?

 ・パスコンって何?

 ・コイルは?

 ・トランジスタなんだろう?増幅?

 ・位相って何よ?

 ・交流電圧?

 ・整流回路って何?

の状態からは抜け出しているはずで、何よりの1アマをとったことによる効果は「分からない電子工学の単語も、ある程度なら自力で調べられる術が、3ヶ月という割と短期間で身につく」という点です。

 

ちょっと荒治療なので、人を選ぶかもしれませんが、少なくとも入門はできたはずです。

 

以上です!

急がば回れの英語リーディング力強化策

toeicのスコアはそこそこ上がってきたけど、仕事や勉強するときに実際の英文(英語の技術書とか、仕様書とか、比較的文法的にはわかりやすいやつでも)を読むとき、または書くときに文法力がボトルネックになって、いまいち和訳や英文解釈に自信が持てず、どうしたものかといろいろ悩んで解決策を探してたけど、いい方法が見つかったのでその備忘録として残しておきたいと思います。 

 

  • toeic向けの文法力

前にtoeicの記事で書きましたが、文法に関しては中学英語のやり直しのために基礎本を1冊と、主に「澄子本」をやりました。

澄子本を何度も繰り返していくうち、確かtoeicの文法問題をそれまでより速く解けるようになる実感はありました。この澄子本でいろいろな熟語やら、toeicによく出る文法問題の頻出問題を覚えることができたからです。

 

ただ、これはtoeicの文法問題に対する解答パターンを覚えただけであって、条件反射的に答えを出している感じでした。なので、知らないパターンの問題が出ると、自分で出した答えに自信が持てないときがあるし、知っているパターンのときでも、自信を持って、その答えの文法的な根拠を説明できない。その時はtoeic文法問題の対策はそういうもんだと思っていて、パターン暗記こそ文法力向上の近道だと思いこんでいました。前の記事にも書いたように実際にスコアは確実にあがりましたから、澄子本はtoeicだけを考えるなら素晴らしく効率的にスコアを向上してくれる問題集だと思います。

しかし、スコアは伸びましたが、スコアシートのABILITIES MEASUREDによると、自分の文法力が相対的に低いままでした。「文法が理解できる」だけ、相対的に低いのだ(どのくらい低いか忘れたけど、10%とか15%とかだったかな、、昔のスコアシートみっけたら追記します)。

 

まぁ、やっぱり英語の勉強はそんな甘くないですね。

 

toeicスコア上昇だけを考えるなら澄子本はうってつけでしたが。一から文法を鍛錬したいってなると、やっぱり教科書的な本を使ってやりなおしたい。すごい時間はかかってもそれに見合う成果を得られる本、それを何度も繰り返して確固たる文法知識を反射的に使えるようになるまで骨髄に染み渡らせなくてはダメだな、というようなことをずっと考えていました。

 

現に、文法力がないことが、たとえば仕事とかで技術書の英文を読んだり、海外のエンジニア宛てにバグレポートとかを英文で書いたりするとき(すごい難しい文章を書くわけではないけれど)に自分の英語力のボトルネックになりはじめていました。うちの部署はほとんどがプログラマーないしはプログラマー出身のマネージャで、つまり大半が理系で、あまり英語が得意な人がいなくて、そんなかで周りより一歩進んで何かやろうするなら英語を駆使して何かやる(例えば、海外ベンダと技術的なディスカッションをそれまで日本の代理店を日本語で使ってやっていたが、代理店を使わず現地のプログラマーと英文メールでやりとりして、開発を高速化してやろうとか)ってのが一番てっとりばやく仕事の加速になると思っていたのですが、そうやって一歩先の何かやろうとすると、基礎力の不足がネックになる。個人的な感覚ですが、英語の場合、文法が英語力全体のネックになることが多いんじゃないかと思う。語彙の場合は実戦で時間をかければ遅かれ早かれ向上していくけど、文法はあえてやらないと向上していかない。

文法に自信がないと、読むのも書くのも集中できない。読んでるとき、この部分ってどこを修飾してるのかなーとか、こうもこうも解釈できるきがするけど、実際のとこどっちの意味なんだろうとか。こうやって和訳に自信がないもんだから、技術書とかスキルアップ目当てで英文を読んでても、脳がその英文を「不確定であいまいなもの=本当かどうかわからないから覚えとかなくてよくね?」と勝手に判断するっぽくて、日本語に比べて英文だと覚えられない、頭に入らない、って状態が発生する。

 

んで、困ったときは私の場合、近道を探すわけです。そこで見つけたのがこのホッテントリ

https://anond.hatelabo.jp/20091026215137

 

急がば回れってのタイトルが、自分の弱い部分(文法ですね)にぐさりと刺さりました。簡単に言うと、良書使ってじっくりゆっくり文法の地盤を固めるのが、結局一番の近道ですよってことを言っています。これはもう観念して、ここに載ってる「英語リーディング教本」でグラグラの文法力の土台を固め直そうと、決心。

 

  • 英語リーディング教本 

基本からわかる英語リーディング教本

基本からわかる英語リーディング教本

 

 

それまで知らなかったけど、すごく有名な本です。見つけてレビュー読んで、すぐにポチり、届いてすぐに読み始め、読み切って納得。英文読む時って、本当はここまで頭使わないといけないんだ、、、ってことに気付かされました。文句なしの良書。これも古い本なので、いつ絶版になるかわからず、早めに買っておいたほうがいいです。このリーディング教本シリーズは何冊かでていますが、まずはこの本が基本の1冊なので、これだけは必ず読みましょう。

 

基本的にこの本は頭から精読していけばいいです。前半を読み終わると、後半から問題とその解説みたいな構造になっています。ただ、この後半の解説を読むのがむっちゃ大変でした。そこまで読み進めてきた部分までの知識が頭に入っていないと、先に読み解かせてくれないようできている。秀逸。

 

読み終えても、あと二周、合計三周は通道したほうがいいと思います。私がこの英語リーディング教本をやっていたときには、この本しかなかったので、それ以上にやろうとするなら、このあと四周、五周と回数をこなしていくしかありませんでした。

 

しかし!数年前に、この本のドリル版が出た。

 

英語リーディング教本 ドリル: 基本から鍛える

英語リーディング教本 ドリル: 基本から鍛える

 

 

私は飽きっぽいので、このドリル版という新しいフレイバーが発売されたことを知ると、すぐにポチって通読を始めた。 これは何周もしたかな。今も久しぶりに開いては通読しています。

 

正直、効果のほどは身をもって体験してもらったほうがいいかと思いますが、文法的に読めない英文が本当に本当に激減します。むしろないんじゃないかってくらい(言い過ぎ)。口語のような文章で文法が崩してある場合(何かの後が省略してあるとか)は確かに読み解けないのだが、文法的におかしいな、とか、何かが省略されているな、というのがわかるようになる。そういう場合も意味の類推ができるようになります。

 

あと、読み解けない文章があって、Google翻訳にかけたり、辞書をひいていたら、「なんだこれ、この3語で熟語なのかい!」ってことない?リーディング教本読了後は、「ここの部分で文法的におかしくなるから、この3語はひょっとして熟語か?」って推測が立つようになる。つまり、一見難しくて読めない文章でも、その部分だけ辞書を引けば読めるような感覚も味わえます。

 

時間をかけてでも一生もののリーディング力を身につけたい方、この2冊をそれぞれ三周(あるいはそれ以上)精読することをお勧めします。

 

P.S.

リーディング教本のおかけで、弱点だったtoeicスコアの「文法が理解できる」の部分はトップになり、得意分野になりました。

 

読んでいただきありがとうございまいした!

TOEIC300点台で長期停滞したけど、ブレークスルー本を発見後、800点まであがった話

# 2019/2/22追記

# 結構読んでくれる方が多くて驚きです。ありがとうございます。

# もう少し細かいところがわかりやすいように加筆しました。

 

ついに、TOEIC300点台で長らく停滞していたスコアが、仕事しながら勉強を続け、800超えを達成しました。私と同じように社会人になってから会社からある程度のスコアを求られる方も多いと思います。そういう人たちのために自分が何点くらいの時にどの本で勉強したら、TOEICスコアを1段階上に押し上げることができたのか、つまり何がブレークスルーになったか、について書いてみます。「自分の身の丈にあった教材を探す」ことが、最高効率でTOEICスコア、ひいては英語力そのものをあげていく最大のポイントだと思っていて、その点にフォーカスして記事を書いたつもりです。

 

私の場合、あとにも書いていますが、toeic370の状態から840が取れるまで、普通に2〜3年はかかりました。英語学習でありがちなのですが、1つの本を買って勉強していると最初のうちはモチベMAXで頑張っていても、後半になるとだんだんその本に飽きてきて、他にもっと効率がいいほうがないかをググったり、他の英語学習本のamazonのレビューばかり読みあさり、いろんな本を買いまくって回り道してしまう、といったことをばかりをやっていました。勉強している時間よりも、勉強の仕方自体を初めてしまう。これって勉強した気になる最悪の悪循環なんですよね。。。この回り道がなければ2、3年も掛からずにもっと早く800点越えを達成できたはずです。

 

英語学習のように長時間こつこつとした努力の積み上げが必要になるスキル取得過程においては、その道のりがあまりにも長く感じるので、「他にもっと効率がいい方法があるんじゃないか、他にもっとすごい良書があるんじゃないか」ってことばかり考えてしまい、この雑念こそが英語習得の主な阻害原因になりました(少なくとも自分の場合は)。一番大切なのは、集中力と継続。でも、これが一番難しい。自分がやっているこの本、このやり方これが、自分にとって最も効率の良い方法だ!と信じて、自分の全集中力を目の前のこと一点に注ぎ込みきることが必要で、分かったちゃいるけど、じゃぁその方法を教えてくれ!っていう方の道しるべになれるといいなぁ、と思ってこの記事を書きました。

 

また、「300点から初めて400点とったぜ!」で終わってる記事とか、「(最初から600点くらい取れてる人が)頑張って一ヶ月で700点とれちゃった」みたいな、そりゃ元からできる人はちょっとやっただけでいいスコア取れるやろ、的な記事が多かった。なので、私のようにまったく下地のない300点台の人が、800点台へのスコアアップした記事は少ない。そういう意味でもいろんな人の参考になれば嬉しいです。

 

  • 300点台の頃

大学卒業後、会社で受けさせられた初めてのTOEICが370点くらい。正直かなりあてずっぽうに答えを書いていたので、解き終えた直後は300前半かなぐらいの印象でした。いや、むしろ200点台でもおかしく無いくらいのレベル、まるで自分が書いた回答に自信がない。このころは500点台を取っていた同僚は雲の上の存在だった。そんな同僚を尻目にみながら、まずは500点超えを目指して、いろんな教材に手を出しまくっていた時期。今思えば、遠回りしたなぁ。このころは、ダイアローグの本とか、VOAとか、読んでみたり、あと本についてくるCDの聞き流し毎日とか、、平日でも1〜2時間はやっていたと思う。しかし、完全に自分のレベルにあっておらず(レベルが高すぎる)、英語の勉強開始してから半年後と1年後に受けたtoeicスコアはまったく変わらず。380とか340とか。やっぱり、その時の自分の身の丈にあったレベルの教材を見つけて、それを一冊やりきるのが大事だと思います。

 

その後もいろいろ回り道したのち、以下の文法書「TOEIC TEST文法完全攻略」との奇跡の出会いを果たしました。少しやってみると自分のレベルにあっているせいか、難しいは難しいが調べながらなら読めなくはない、地道に土台をかためながら、いろんな英文法の基礎が着実に身についていく感覚。

 

 ちなみにこの本、最近になってよく在庫切れを起こすようなので、運良く在庫があった場合は買っておいたほうがよさそうです。やはり1998年の本なので古いため、不意に絶版になる可能性があります。

 

なお、amazonのレビューはこれを書いている時点で星3.5とやや低め。レビューが低めになっている原因は「簡単すぎる」「誤植が多い」という指摘だが、前者についてはこの本が合うのはおおよそTOEIC300~400最初は簡単すぎるぐらうでちょうどいいと思います。むしろあまり難しすぎるとここでつまづきます。また、後者の「誤植」については自分はあまり気にならなかった。むしろ誤植を見つけて楽しむくらいでいいと思う。先は長いです。肩の力抜いていきましょう。

TOEIC(R)TEST文法完全攻略 (アスカカルチャー)

TOEIC(R)TEST文法完全攻略 (アスカカルチャー)

 

 片道一時間の通勤中、赤ペンで答えやら単語の和訳やらを書き込みまくって3~4ヶ月で二周した。章毎にある「訳してCheck」は基本めんどくらさがらずに全部答えを書く。分からなくても答えを見ながら書き写す。そうするとなんとなく覚えていく。1周目で覚えてなくても、2、3周目だと確実に前回より脳に刷り込まれていく。私の場合は、飽きっぽいので120%の完成度まではいかず、95%くらいの記憶度でこの教材は終えた。辛抱強い人は完全に終わらせてもよいが、飽きて続かなくなってしまうよりは、3周くらいで切り上げて、新しい教材に手をつけてモチベーションを再構築するのはアリだと思います。なのでまずは3周してみましょう。3周おわって4周目をやる気力があれば、4周してもいいですが、なければ次の教材に進みましょう。継続こそが力なりなので、モチベダウンさせないことが本当に一番大切です。3周で95%とはいえ、これで簡単な文法項目はかなり頭に入った状態になります。不安ならさらに回していいですし、飽きてしまうくらいなら最低3周だけ頑張って、次の教材に行きましょう!

 

なお、本への書き込みにつかう赤ペンは、以下のフリクションがいい。ペンの反対側のさきっちょでゴシゴシこすれば、書いた文字が簡単に消せるから、心置きなくバシバシ書き込める。シャーペンと違って消しゴムもいらない。しおりの代わりに挟んでおけば、通勤電車の中でも家のソファーや布団で寝っ転がっているときでも、いつでも本を開いて勉強を始められる。勉強再開のためのコストを最小にする小さな工夫の積み重ねも、長期間やると蓄積されて結構無視できないインパクトになる。

 

 上記の文法書をやり終えた時点で、自分にあったレベルの教材、というのがなんとなくわかるようになった。文法が終わったので、次の自分の目に見える弱点は、語彙力、つまり知っている単語力だよね、と分かっていたので、単語帳の良書を探す。

 

これはもうすんなり出会えました、鉄板良書のDUO。有名すぎますよね。これはまず精読で一周させます。知らん単語ばっかりで心がめげそうになりますが、細かいところはおいておいてどんどん進めていってください。やり方としては、まず単語の日本語を良み、映像というかイメージを浮かべる。で、そのイメージと英単語がリンクするように頭の中で何回か暗唱する。イメージとリンクさせると忘れづらい。

 

DUO 3.0

DUO 3.0

 

 

それでもこの本は550ページ以上あり、ほとんど知らない単語ばっかりで、かなり時間がかかりました。3~4ヶ月で一周くらいか。すごく時間がかかる分、効果は絶大。本当に世の中の使用頻度が高い英単語だけがびっちり入っているので、DUOで覚えた単語はいろんなところで目にします。そしてそんな単語たちが、すべて例文にされて組み込んであり、その例文もTOEICや海外ドラマなどをみていると、わりとよく出てくる有名なフレーズが多いです。

 

さて、最初に一点集中の勉強法を謳っていたのにもかかわらず、私はここでDUOの精読を「一周」しかしませんでした。単語の勉強では繰り返しが基本なのに、なぜDUO本は一周しか読まなかったのか?

 

それは以下のCDを使って、何周も何周もしたからです。

 

CDの聞き方はなんでもいいですが、まずはDUO本を一周しているときと並行して、本のDUOが開けない電車の中とかでは、iPhoneでDUOのCD復習用を繰り返しリピートする。基本的に、精読が終わっいるところをひたすらリピートする。精読が終わっていても、忘れてしまったところは、そこだけピンポイントでDUO本を開いて再確認する。意味が分かっていないのに聞いても、まったくの無駄とは思わないが、効率がかなり悪い。で、精読が進むにつれてCDも進めていく。

DUO 3.0 / CD復習用

DUO 3.0 / CD復習用

 

 

 DUOのCDは風呂でも聴きました。そして、これが効果抜群でした。

 

当時、iPhoneは防水ではなかったので、風呂では以下のbluetooth防水プレーヤーを使って再生。風呂に入っているときにひたすら、口に出してリピート。電車の中で聴くのと違って、風呂の中なら人目をきにせずぶつぶつ発音できるのでそこがいい。今になって思うと、やっぱ「自分の口で発音する」ことの効果はでかいです。発音すると、英語を「この音のときの口の形はこんな感じ」だとか「舌がこうやって動く」って感じに体感で覚えるようになる。「英語の学習は、スポーツの練習と同じ」っていう何かの記事か本で読んだものは、まさにその通りだな、と思います。なお、この時点では発音の勉強はしていないので、CDの音をまねてそれっぽく発音すればいい。もし、ここで発音の勉強に手を出してしまうと、効果がないとまではいわないが正直このレベルだと非効率かなと思います。(ただ、モチベがあるのであれば、この時点で手をだしてもいいです。モチベも重視したほうがいいです。)

どちらにせよ、あとで発音学習の順番がきたときにでも、しっかりじっくりやりましょう。

 

  

DUO本とCDが最後まで到達し、音声を聞いてなんとなく意味がイメージできるようになるまで(※)刷り込んだところでtoeicを受けてみました。そこでなんと念願の500を大きく超え、550点取得。私にとっては初めて目に見えるスコアアップ!多分、前述の文法書からここまで1年くらいはかかったけど、最初に書いたように回り道もしながらだったので、集中すれば6ヶ月、あるいはもっと短い時間で達成できる人もいると思います。ちなみに1日1時間勉強する人と比べて、1日3時間勉強する人は3倍早く終わるとはならないです。短期集中すると3倍以上の効率がでます。これは私の実体験上は確実です。(それは果たして確実なのか、というツッコミはおいておいて。)

勉強時間が短いと

  新しい単語を覚える速度>覚えた単語を忘れる速度

なのですが、1日の勉強時間を増やしていくと、一定のところで  

  新しい単語を覚える速度<覚えた忘れる速度

 とように逆転し、さらに増やしていくと、この差が加速度的にあがっていくイメージです。

でも難しいです。分かっちゃいるけど。続けられる程度に頑張りましょう。で、頑張れる人は頑張りましょう。

 

(※)このときのDUOの理解度は70〜80%くらい。つまり、完璧ってわけではない。特にDUOの政治的なパートはこの時点でちゃんと聞き取ってイメージするのは難しい。なぜなら、イメージしにくいから。ある程度聞き取れるレベルで済ませて、toeicを受けてみていいと思う。ある域を超えていれば500点超えるし、そうでないなら500点を超えないので、その場合はまた文法書とDUOに戻ってください。くれぐれも他の本にはいかないこと。500点に届かないのは本のせいではなく、勉強時間の問題。

 

え、こんだけやってまだ500点台?って思う人おかもしれないですが、大丈夫です。このパートで真面目に積み上げた努力は、見えないところで確実に自分の中に蓄積していて、この記事の後半の勉強で爆発します。私がそうでした。

 

  • 500点台の頃

 ここからはひたすらトリプル模試をやりこむ。これも答えを本誌に書き込んでいった。間違えたところは2~3回やりなおす。リスニングパートはもちろんiPhoneに入れてひたすらリピート。

TOEIC(R)テスト新・最強トリプル模試3

TOEIC(R)テスト新・最強トリプル模試3

 

 

ただし、現在、トリプル模試は古くなってしまっていて新傾向問題に対応していないので、今やるならトリプル模試ではなく、その時の最新の公式問題集で、上記と同じ勉強方法でやることをお勧めします。

 

公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 3

公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 3

 

 

 

 

 あと、リスニングパートのCDを再生する際、普通に再生するのではなく、iPhoneに「語学プレーヤー」というアプリを入れて再生するとかなりいいです。スロー再生高速再生ができる。よく聞き取れないところはスローで再生して繰り返していくうちに、耳が小慣れてきたら、徐々にこのアプリで再生速度を上げ、最終的に通常の速度よりも速い1.5倍速再生とかで耳をならす。すると、普通のスピードがすごいゆっくりに感じるようになる不思議。

 

続いて、問題集だけやっていると飽きるので、私は澄子本も並行して2~3冊やっていた。澄子本は文庫サイズなので、電車の中でやるのにちょうどいい。暇を見つけては澄子本をやり、耳だけあいているときはCDを再生。まとまった時間が取れるときは前述の問題集をやるという感じで進めていきました。

今は新傾向の千本ノックシリーズが出てるみたいなので、以下の本をやればいいと思います。

 

  

 

問題種・澄子本をやっていき、内容に小慣れたところで、TOEICを受けたところ、600点を超えて一気に715点取得。おそらく文法と単語の下地ができていたおかげで、TOEICの問題を解く訓練をしたら、スコアが一気に爆発した、という感じ。基礎は本当に大切だ。

 

 

  • 700点台の頃

 700点代までは上記のほうほうですんなり?きたのですが、ここでまたスランプ。問題集をさらに3ヶ月やってTOEIC受けて730くらい。爆発後、何かが飽和してしまった様子。ここまでくると苦手分野はもう自分ではっきりと分かるようになっていました。

 

この時、もっとも苦手だったのはリスニング。700点のうち、リスニング<リーディングでした。(これと逆に、リスニング>リーディングの人は、もうちょっと問題集や文法に特化した問題集をやり込めば、それでスコアがあがるかもしれません。)

 

リスニング強化策として、これまた良書の「英語耳」に着手。この本に従って口に出して発声練習をしていると、ほんとに発音が良くなる。この本もわりと古いが、その内容は今後も陳腐化することはない。神本、いわゆるゴッド

英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる

英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる

 

 

スコアが700点を超えてくると、「これでまったく英語が話せないってのはどうなの?」という負い目を感じ始める。

 

さてどうしたものか、話せるようになる方法が見つからない。昔いろいろ英語学習本を買ったときに見つけた良書の「英語上達完全マップ」を引っ張り出してくる。ちなみにこの本は直接英語の勉強になる本ではないが、TOEICに縛られない本当の英語力の身につけ方を教えてくれる。TOEICスコアアップだけが目的なら、不要な本。だが、ある程度スコアがあがってくると、必ず「英語話せるようになりたい、書けるようになりたい」という思いがこみ上げてくる時期がやってくる。そうなったときにどうすれば良いかの道知るべになる。読み物としてもおもしろいし、たまに読み返すと英語学習のモチベーションアップにもなるので、手元に一冊おいておくことをお勧めする。

 

英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法

英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法

 

 

で、前置きが長くなったが、英語を話せるようになるための下地作りとして、この本に書いてある瞬間英作文トレーニングを始めました。

 

同じ著者が以下の本を出していたので、これを使いまいした。すごいこの本。これも付属のCDを聞きまくる。CDでは日本語→英語の順にながれるので、日本語を聞いているそばから英作文することをひたすら繰り返す。電車の中で声にだせなくても、頭の中で英作文はできる。これを続けていうとあら不思議。反射的に英作文を作れるようになる。700点超えてる人なら、ここに出てくる英文は簡単すぎるなぁと思うだろうが、やってみると簡単な英作文すらできない。ある程度できるようになってくると、今まで覚えた基礎的な文法が脊髄にしみこんで、脊髄反射的に文法を知覚できるようになり、例えば「主語がitなのに動詞にsがついていないと気持ち悪いな」とかって基本的な文法がまったくの無意識な状態でパースできるスキルが身につく。文法も頭で覚えるもんじゃなく、体で覚えるもんなんだなってところがすごくよく分かる。

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)

 

 

上記の本だけだとものたりなかったので、以下のシャッフルも買って同様に英作文のトレーニング。

 

スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

 

 

私の場合、この時点で受けたTOEICが期待と反して705点。あきらかに英語力になった実感があるのに、TOEICスコアにはまったく効果なし。英語耳をやり終えた時点で800点を越える人もいるようなので、人によるのかもしれない。「英語耳+多聴」のように鍛えた英語耳でリスニングに時間をかけないとスコアに反映されないのかも。やっぱり、toeicスコアの向上と英語力の向上は決してイコールではないのかな。ただ前述したようにスコアで見えないだけで、英語力は脳の中に蓄積しています。

 

で、toeicのスコアなどきにせず、「多聴」+「英語話せるようになりたい」という両方の要求をかなえてくれそうな教材を探し、ついに「レアジョブ」を発見。ここから毎日25分or50分のレッスンを開始。最初はまったく聞き取れないが、瞬間英作文のトレーニングのおかげで、簡単なことは話せる。講師の方は全員優しいので問題なし。レアジョブで200時間超えたくらいTOEICを受験し、TOEIC840取得

 

370から840までは2〜3年はかかっていると思います。英語学習時間をざっと計算すると合計1000〜1500時間くらい。他の資格勉強とかも並行してやっていたので、あくまで概算。英語学習だけに集中していたわけではなかったので、英語だけに集中できる人ならもっと期間短縮はできるはずです。

 

ここまで読んでくださった方、特にTOEICスコアで300点、400点で停滞して途方にくれている方、ぜひこの記事の最初に紹介した文法本から初めてみてください!自分にあったレベルの本を飽きずにこなしていけば、必ず、そして着実に800点までは独学でいけます。(700点まではもっと早いです)

 

以上、読んでいただきありがとうございました!

 

 

さて、800点を超えたあと、TOEICの勉強ばかりしていた私は、技術書やネイティブのメールの英語がちゃんと読めていないことに気づきます。リーディング力をみにつけるため、試行錯誤し、これについても記事にしました。よろしければどうぞ!

 

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